Archive: 9月 2016

自毛植毛と人工毛植毛の違い

思春期以降の男性に起こる薄毛や抜け毛の症状である男性型脱毛症「AGA(エージーエー)」の治療法のひとつとして、最近、最も有効であるとされている方法は、すでに薄くなってしまった頭皮に髪の毛を植え付けていく「植毛」という手術方法です。「植毛」には、大きく分けて、自分の髪の毛を頭皮から薄く切り取って、すでに薄くなってしまった部分に毛包ごと移植を行う「自毛植毛」と、人工の合成繊維の毛髪製品を、すでに薄くなってしまった部分に植え付けていく「人工毛植毛」の2通りに分けられます。いずれも、AGA(エージーエー)治療専門のクリニックや、美容外科などで受けることができる外科的な治療法ですので、育毛剤や発毛治療薬などのように体質や頭皮の状態などによって、効果のあらわれ方が異なるというリスクもなく確実に髪の毛を増やすことができるということから、AGA(エージーエー)に悩む男性の多くが、「植毛」の手術による薄毛治療を望んでいます。しかし、「人工毛植毛」の場合には、やはり人工の製品を頭皮に植え付けていきますので、身体が異物として認識してしまうことから拒絶反応が出やすく、たとえ移植を行ったとしても、2~3年程度で半数以上の毛髪が抜け落ちてしまい、定期的に植毛手術を行わなければ綺麗な状態を保つことができません。

 

「自毛植毛」と比較をすると、初期に掛かる手術費用は、3000本~4000本を植毛の場合でも約70万円前後からと、比較的安く抑えることができますが、人工毛は天然毛のように伸びてはきませんので、専門の美容師さんが伸びてきた自毛に合わせながらカットなどのメンテナンスを行わなければならず、これらのアフターケアに必要な時間や維持費などを考えると、決して気軽に試してみようと思えるような治療法とは言えませんし、頭皮の拒否反応だけではなく、感染症などの副作用の危険性もゼロではありません。そのため、最近では、「人工毛植毛」の手術を行うのは、頭皮の状態によって、どうしても自毛での植毛手術が困難である方など、ごく一部の方に限られており、一般的には、自分自身の頭皮を毛根ごと薄く切り取りドナーとして採取し、すでに薄くなってしまった頭皮に小さな穴を開けたり、薄くスリットを入れるなどをした後で移植を行う「自毛植毛」の手術を行うクリニックがほとんどです。

 

「自毛植毛」の最大のメリットは、移植手術を行った毛髪が、いったん定着してしまえば、その後は自然な発毛サイクルを取り戻してくれるため、まるでもともとの自分自身の髪の毛のように、半永久的に頭皮から生え続けてくれるということです。もちろん、定期的なメンテナンスは、通常の床屋さんでカットするのみで、ヘアカラーやパーマなどはもちろん、プールやサウナ、温泉にアウトドアスポーツなど、これまでカツラや増毛などでは我慢していたことなども、通常の人と同じようにできるようになりますし、その後のメンテナンスやアフターケアに掛かる時間や費用は一切不要となります。男性型脱毛症「AGA(エージーエー)」に悩んでいる男性からすれば、まさに夢のような治療法ですが、やはり専門的で最新の手術法であることから、約3000本~4000本の植毛手術で、およそ100万円~150万円もの高額な費用が必要となります。それでも、多くの男性が「自毛植毛」の手術を望んでいる理由は、その後のメンテナンスに掛かる費用が一切掛からないため、結果的には安価であるということのほかに、何よりも、これまでにはなかった自分自身の頭皮から髪の毛が生えてくる感覚を味わうことができるということが、大きな魅力となっているようです。